目次
はじめに
「副業のために、webデザインのオンラインスクールに通ったほうがいいのかな」「高いお金を払って後悔しないかな」そんなふうに迷っていませんか。気持ちが揺れるのは自然なことですが、このテーマは勢いよりも、具体的な数字と使える時間で考えたほうが落ち着いて決められます。
まず確認してほしいのは、支払う受講料をどのくらいの期間で回収できそうかという点です。たとえば受講料が30万円なら、1件5万円の案件を何件受ければ戻せるのか、現実的なペースで計算してみます。次に、平日の夜や休日のうち、毎週何時間を学習にあてられるのかを書き出してみてください。睡眠時間や家族との時間を無理に削らなくても続けられるかどうかが大切です。そして、卒業後も教材を開き直したり、ポートフォリオを作り直したりと、学びを積み重ねていけるかを想像してみます。
この三つを具体的に書き出さないまま申し込むと、「やっぱりきついかも」「思ったより稼げないかも」と途中で不安が大きくなりやすいです。反対に、受講前に数字と時間を紙に書いておけば、「今回はやめておこう」「この条件なら挑戦してみよう」と自分の意思で選べます。ここからは、その確認の仕方を順番にお伝えしていきますね。
副業のためにwebデザインのオンラインスクールに通うのはあり?

副業目的でwebデザインのオンラインスクールに通う場合、判断の基準は「いつまでにいくら回収したいのか」です。受講料は数十万円かかることが多く、学習期間も3〜6か月は見ておく必要があります。短期間で費用を取り戻したいのか、それとも1年以上かけて実績と単価を積み上げる前提なのかで、選ぶべき道は変わります。
半年以内にかかったお金を回収したいなら向かない
受講料が30万円だとすると、半年で元を取るには、毎月5万円の純利益が必要になります。たとえば1件5万円の案件なら毎月1件を継続して受ける必要がありますし、1件2万円の案件であれば月に3件以上を安定して受注し続けなければなりません。
未経験からスタートする場合、最初の2〜3か月はソフトの基本操作を覚えたり、ポートフォリオ(実績作品)を作ったりする期間になります。そのため、実際に営業を始められるのは早くても3か月目以降になることが多いです。
営業を始めたあとも、すぐに仕事が決まるとは限りません。たとえば「10件提案して1件受注できる」というペースであれば、毎月1件の仕事を取るためには30件ほど応募する必要があります。平日に1日2時間作業できたとしても、制作と営業を合わせて月60時間ほどです。そこから安定して毎月5万円の利益を出すのは、最初のうちはかなりハードルが高いです。
そのため、「半年で必ず回収する」という前提で考えるのであれば、時間の確保や受注の確率を冷静に計算すると、この選択は少しリスクが高いと言えます。焦って判断するのではなく、自分が確保できる時間や、どのくらい継続できそうかを考えたうえで決めることが大切です。
webデザインの副業を1年以上続ける覚悟があるならOK
受講料が30万円の場合、1年かけて回収するのであれば、毎月2万5,000円の純利益を出せば届きます。半年で回収するよりも、ぐっとハードルは下がります。
たとえば、1件2万円の案件を月に2件続けられれば、1か月で4万円、1年間で48万円になります。そこから受講料の30万円を差し引いても、きちんと利益が残ります。最初の3か月は、あせらず学習とポートフォリオ制作に集中します。そして4か月目から営業を始め、毎月20件ほど提案を続けるとします。もし受注率が10%であれば、20件中2件は受注できる計算になります。月2件のペースに届けば、回収ラインが見えてきます。
平日に1日2時間、月60時間ほどを制作と営業に使えるのであれば、提案と案件対応を並行して進めることも可能です。もちろん簡単ではありませんが、数字上は十分現実的な水準です。
そのため、「1年以上は継続する」と決めて、時間と提案数を具体的に確保できるのであれば、この選択は成立します。大切なのは、短期間で回収しようと焦らず、1年単位でコツコツ積み上げる前提で考えることです。
WEBデザインを副業にするなら最初に決めておきたいこと

WEBデザインを副業にする場合、最初に「なんとなく始める」と後から迷いが増えます。学習費用や制作環境の準備にお金がかかる以上、収益の目標と回収の期限を先に決めておくことが現実的な判断基準になります。まずは数字で目標を置き、その前提から逆算して行動を決める必要があります。
月いくら稼ぐのか
まずは「毎月いくらを目標にするのか」を、はっきりと数字で決めることが大切です。たとえば月3万円と設定するなら、その3万円をどう作るのかまで具体的に考えます。1件1万5,000円のバナー制作を月2件受注するのか、それとも1件3万円のLP修正を月1件取るのかというように、金額を仕事の形に置き換えていきます。
次に、自分が使える時間から現実的な上限を計算します。平日に1日2時間、月60時間確保できる場合、1件あたり制作に15時間かかるなら、対応できるのは月4件が限界です。この上限を超える目標を立ててしまうと、作業が間に合わなくなり、納期遅延が起きやすくなります。納期が守れなくなると継続受注が止まり、結果的に収入も安定しなくなります。
反対に、月1万円など低すぎる目標にすると、提案数を増やす必要がなくなり、営業行動そのものが減ってしまいます。すると受注経験が積み上がらず、成長のスピードも落ちてしまいます。月の目標額を先に決めておけば、必要な単価や受注件数、作業時間、提案数まで自然と計算できるようになります。なんとなく頑張るのではなく、「この時間でこの件数をこなす」と具体的に行動を決められるようになることが、初心者の方にとっては特に大きな意味を持ちます。
初期費用を何ヶ月で回収するのか
まずは、かかる初期費用をすべて具体的な金額で出します。たとえば受講料が30万円、ソフト代や教材費が5万円かかるなら、合計で35万円です。この35万円を「何か月で回収するのか」を先に決めます。
もし6か月で回収すると決めた場合、35万円を6で割ると、毎月およそ5万8,000円の純利益が必要になります。1件2万円の案件で考えるなら、少なくとも月3件以上を継続して受注しなければ届きません。未経験から始める場合、この件数を安定させるには相応の提案数と制作時間が必要になります。
一方で、12か月で回収すると考えれば、毎月約2万9,000円の純利益で足ります。1件3万円の案件を月1件受注できれば計算が合います。必要件数が減るぶん、営業行動と制作時間のバランスを取りやすくなります。回収期間を短く設定すると、その分だけ毎月の受注件数と提案数が増えます。平日に1日2時間を確保できても、制作時間が足りなくなり、負担が大きくなりやすいです。逆に回収期間を長めに設定すると、月ごとの必要件数が下がるため、無理なく営業と制作を続けやすくなります。
先に「何か月で回収するか」を決めておくことで、必要な単価や件数が具体的な数字として見えてきます。感覚ではなく計算で判断できるようになることが、失敗を避けるための大切なポイントです。
webデザインを副業にする際の気を付けたいポイント

webデザインを副業にする場合、スキルを学べば自然に仕事が入るわけではありません。発注側は「実務でどんな成果を出したか」を基準に選ぶため、未経験のままでは応募しても通りにくい現実があります。また、会社員と違って仕事は待っていても来ないため、自分から営業や応募をする前提で動く必要があります。まずはその前提を理解したうえで、具体的な注意点を整理します。
実務経験がないと仕事が取れない
クラウドソーシングの案件を見ると、応募者が10人以上集まっているものが多くあります。発注者はその中から1人を選ぶため、まず過去の制作実績や評価点を確認します。
実務経験がなく、評価も0件の状態だと、判断材料は提案文だけになります。そのため、同じように応募していても、実績や評価がある人より選ばれる確率はどうしても下がります。10件応募しても受注が0件という状況が続くことも、珍しくありません。
発注者の立場からすると、納期を守れるか、修正にきちんと対応してくれるかを事前に見極めたいと考えます。その判断材料として、実案件の制作物URLや、継続案件の履歴、過去の評価コメントが重視されます。数字や履歴で確認できる応募者のほうが、安心して発注しやすいのです。
そのため、実務経験がない段階では受注率は低くなりやすく、単純に提案数を増やすだけでは成果につながりにくいことがあります。仕事を取る前提で行動計画を立てるのであれば、「自分の受注率はどのくらいになりそうか」を現実的な数字で考えておくことが大切です。感覚ではなく確率として理解しておくことで、必要な提案数や準備の量が見えてきます。
案件は自分で取りにいく(営業が必要)
案件は待っていても自然には増えないため、自分から提案を出す必要があります。もし受注率が10%だとすると、月に2件受注したい場合は20件の提案が必要になります。
平日に1日2時間を確保できるなら、月60時間使えます。そのうち制作に40時間使うと決めた場合、残りの20時間を営業に回せます。提案文の作成に1件あたり30分かかるとすると、20時間あれば月40件まで提案できます。時間を数字で分けて考えると、「どこまで動けるのか」がはっきりします。
提案数を出さなければ受注数は増えませんし、受注が止まれば売上は0円になります。どれだけスキルがあっても、営業行動が止まれば収入も止まります。そのため、制作時間と同じように営業時間もあらかじめ確保し、「今月は何件提案するのか」を具体的な数字で決めて動くことが大切です。感覚ではなく、時間と件数で管理することで、安定した行動につながります。
webデザインの副業で実際に起こること

webデザインを副業として始めた直後は、想像しているよりも収益化までに時間がかかります。学習、ポートフォリオ作成、営業、修正対応といった工程が重なり、すぐに安定した収入になるケースは多くありません。また、本業が終わった後の数時間だけでは作業が進まず、想定より負荷が大きいと感じる人もいます。まずは現実として起こりやすい状況を把握しておく必要があります。
最初の数ヶ月はほぼ収入ゼロ
始めてから最初の2〜3か月は、学習やポートフォリオ制作に時間を使うことになります。その間は営業にあまり時間を回せないことも多く、収入はほとんど発生しません。
営業を始めたとしても、受注率が10%未満であれば、月に20件提案しても受注は0〜1件にとどまる可能性があります。たとえば単価1万円の案件を1件受けられたとしても、クラウドソーシングの手数料を差し引くと手取りはおよそ8,000円前後になります。その案件に15時間かけた場合、時給に換算すると約530円です。さらに、提案が通らなければその月の売上は0円になります。この状態が数か月続くことも十分に考えられます。
評価や実績が増えるまでは、どうしても受注確率は低くなります。そのため、始めてすぐに安定した収入が入るとは考えず、最初の数か月はほぼ収入がない期間になることを前提にしておくことが大切です。そう理解しておけば、焦らずに土台づくりに集中できます。
本業後の作業時間だけでは足りない
平日に本業が終わったあと2時間作業できたとしても、1か月で使える時間はおよそ40〜50時間ほどです。思っているよりも多くはありません。
たとえば、バナー1件に10時間、LP制作に30時間かかる場合、単純計算で対応できるのはバナーなら月4〜5件、LPなら月1件が上限になります。これだけでほぼ時間は埋まります。さらに、実際の仕事では修正対応やクライアントとのメッセージのやり取りが発生します。これに月10時間使うとすると、純粋に制作に使える時間はさらに減ります。加えて、提案文を1件30分かけて作り、月20件送ると、それだけで10時間かかります。
こうして計算してみると、本業後の限られた時間だけで制作・修正・営業を同時に回すのは簡単ではありません。どこかが圧迫されると、納期が遅れたり、提案数が足りなくなったりします。その結果、受注数が伸びず、売上も思うように増えません。
だからこそ、「時間があるはず」と感覚で考えるのではなく、実際に使える時間を具体的に計算してみることが大切です。数字にすると、現実的な上限がはっきり見えてきます。
webデザインの副業で失敗しやすいケース

webデザインの副業は「デザインができれば収入になる」と思われがちですが、実際は制作以外の工程が大きな割合を占めます。案件の獲得、提案、見積もり、修正対応まで含めて仕事として成立します。この全体像を理解せずに始めると、想定と現実の差でつまずきやすくなります。まずは失敗しやすい典型パターンを整理します。
「バナーを作るだけ」で稼げると思っている
バナー制作の単価が1件3,000円だとします。月3万円を目標にするなら、単純に計算して10件の納品が必要になります。
1件あたり制作に2時間、修正対応に1時間かかるとすると、1件で合計3時間です。10件なら30時間を使うことになります。さらに、仕事を取るために提案文を1件20分かけて作り、月30件応募すると、それだけで約10時間かかります。ここまでで合計40時間です。そして忘れてはいけないのが手数料です。仮に20%引かれると、1件3,000円でも手取りは2,400円になります。10件納品しても受け取れるのは2万4,000円です。目標の月3万円には届きません。
このように、単価と必要件数をきちんと計算せずに「とにかく数を作ればいい」と考えてしまうと、時間だけが増えて収入が追いつかない状態になります。最初に単価、件数、手取り額、作業時間を具体的に計算しておくことで、「本当に成立するかどうか」が見えるようになります。
営業や価格交渉を想定していない
受注率が10%の場合、月に2件の案件を取りたいなら、20件の提案が必要になります。提案文を1件につき30分かけて作ると、営業だけで月10時間を使う計算です。制作時間とは別に、この時間が必要になります。
さらに、価格交渉で1件あたり2,000円下がったとします。もともと単価2万円の案件でも、1万8,000円になります。月2件なら4,000円の減収です。ここから手数料が20%引かれると、手取りはさらに少なくなります。想定していた売上と、実際に受け取る金額には差が出ます。営業や価格交渉を考えずに、制作時間だけで計算してしまうと、「これだけ作れば目標に届くはず」という前提が崩れます。実際には手取りが足りず、目標額に届かないまま作業時間だけが増える状態になりやすいです。
だからこそ、制作だけでなく、営業にかかる時間や値下げの可能性、手数料まで含めて計算しておくことが大切です。最初から現実的な数字で考えておけば、あとで「思っていたより稼げない」というズレを防げます。
webデザインの副業を始めるための準備

webデザインの副業は、知識をインプットするだけでは仕事につながりません。案件に応募する時点で「どんな制作物を作れるか」を示す資料が求められます。学習と並行して実績の土台を作らないと、準備期間だけが長くなります。始める前に整えておくべき具体的な準備を確認します。
学習と同時にポートフォリオ(制作事例)も作りはじめる
学習を始めたら、同時に制作物をポートフォリオとして形にしていきましょう。たとえば1か月目にバナーを5点、2か月目にLPデザインを1本完成させれば、合計6点を公開できます。学ぶだけで終わらせず、「見せられる成果物」にしていくことが大切です。
1作品あたり10〜20時間ほどかけて丁寧に制作し、掲載するときは制作意図や工夫した点、使用ツールを300文字以内でまとめます。何を考えて作ったのかが伝わると、作品の価値が上がります。提案時に制作物のURLを提示できないと、発注者は判断材料が少なくなり、受注率が下がります。3か月間ずっと学習だけを続けてしまうと、営業を始めるタイミングが遅れてしまいます。
毎月制作物を追加していけば、3か月後には8〜10点ほどの実績を提示できる状態になります。応募時に具体的な成果物を示せるようになると、提案の説得力が変わります。学習と同時に公開できる作品を増やしていくことで、営業開始までの時間を短縮でき、受注の可能性も高まります。
無料案件でも実績を積む
実績がまったくない状態では、どうしても受注率は10%未満になりやすいです。そのため、最初の1〜2件は報酬0円でも受けるという選択も現実的です。まずは「実績」と「評価」を作ることを優先します。1件につき15時間ほどかけて丁寧に制作し、納品後は制作物のURLとクライアントのコメントを、公開許可をいただいたうえでポートフォリオに掲載します。ここまでできて初めて、「見せられる実績」になります。
評価が1件付くだけでも、提案時の印象は大きく変わります。これまで10件応募して0件だった状態が、1件受注できる水準に変わる可能性があります。数字にすると小さな差に見えますが、実際には大きな前進です。無料案件を2件完了すれば、制作物2点と評価2件を提示できます。提案文に具体的な成果物と評価を添えられるようになるため、説得力が増します。その結果、有料案件へ移行できる確率も上がります。
最初は収入よりも「土台づくり」と割り切ることで、その後の受注の流れが作りやすくなります。
まとめ
webデザインのオンラインスクールを副業目的で利用するかどうかは、「なんとなく稼げそうか」ではなく、数字と時間で判断することが大切です。毎月いくら必要なのか、その金額を何件の案件で作るのか、そして本業後にどれだけ作業時間を確保できるのかを、具体的に計算します。
受講料やソフト代などの初期費用がいくらかかり、それを何か月で回収するのかを決めれば、必要な月の利益額が見えてきます。そこから単価、受注件数、提案数、制作時間まで逆算すれば、「本当に回せるかどうか」が現実的に判断できます。
また、最初の数か月は収入がほとんど発生しない前提で考える必要があります。受注率が低い時期は提案数を増やし、無料案件であっても実績と評価を積み上げる覚悟が求められます。営業や価格交渉も含めて自分で行うという前提を受け入れられるかどうかが、大きな分かれ目です。
学習と同時にポートフォリオを公開し、実績を増やしながら営業を始められるのであれば、この選択は成立します。一方で、月に必要な金額や確保できる時間が曖昧なままであれば、想定と現実がずれやすくなります。その場合は、いったん立ち止まるという選択も十分に現実的です。
大切なのは、期待ではなく計算で判断することです。数字と時間を具体的に置き、継続できるかどうかを冷静に見極めたうえで決めることが、後悔しないための基準になります。