はじめに
「FiverrやUpworkで受け取ったドルなどの外貨報酬は、青色申告でどう処理すればいいの?」
「売上を円に換算するタイミングや、手数料・入金時の仕訳はどう書けばいい?」と迷っていませんか。
海外の案件を受注して報酬が外貨で表示されると、取引履歴を確認しながら日本円でいくらになるのか計算したり、銀行口座へ入金された金額と帳簿の金額が違ったりして、どの数字を使えばいいのか迷いやすいものです。
この記事では、Fiverr・Upworkの外貨報酬を青色申告する際の円換算方法や売上計上のタイミング、手数料を含めた仕訳の考え方を順を追って説明していきます。
Fiverr・Upworkの外貨報酬を青色申告する基本
FiverrやUpworkで外貨の報酬を受け取った場合は、実際に日本の銀行口座へ出金した日だけを基準にするのではなく、売上が確定した時点から帳簿を整理する必要があります。
ここでは、外貨報酬を青色申告する際に最初に押さえたい3つの基本を順番に解説します。
外貨報酬は報酬を受け取る権利が確定した時点で売上にする
FiverrやUpworkの報酬は、日本の銀行口座へ出金した日ではなく、報酬を受け取る権利が確定した時点を基準に売上として記録します。
案件の納品・承認などで報酬額が確定したら、その日付を確認して帳簿へ記録しましょう。
出金日とは異なる場合があるため、売上が確定した日を基準にすることが大切です。
報酬確定日の為替レートで日本円に換算する
外貨で報酬が確定した場合は、その日の為替レートを使って日本円に換算します。
たとえば100ドルの報酬が確定し、1ドル=150円なら、売上は15,000円として記録します。
出金時に為替レートが変わっていても、売上は報酬確定時の金額を基準に考えます。
プラットフォーム内の外貨残高も帳簿へ記録する
報酬が確定した後、外貨をFiverrやUpwork内に残している場合も、取引の記録は必要です。
報酬確定日や通貨、金額などを記録し、プラットフォーム上の残高と帳簿を確認できるようにしておきましょう。
まだ銀行口座へ出金していない場合でも、帳簿から外さないことが大切です。
具体例で確認する外貨報酬の一連の仕訳
FiverrやUpworkで外貨報酬を受け取る場合は、報酬が確定した時点から、PayPalへの出金、銀行口座への出金まで取引ごとに仕訳を分けて記録します。
ここでは、外貨報酬を受け取ってから日本円の銀行口座へ移すまでの仕訳を、具体例に沿って順番に確認します。
Fiverr・Upworkで報酬が確定したときの仕訳
FiverrやUpworkで100ドルの報酬が確定し、その日の為替レートが1ドル=150円なら、15,000円を売上として「売掛金15,000円/売上15,000円」と仕訳します。
まだ銀行口座へ出金していなくても、報酬を受け取る権利が確定した時点で記録するのが基本です。
帳簿には、報酬確定日や外貨金額、円換算額も残しておきましょう。
プラットフォームからPayPalへ出金したときの仕訳
FiverrやUpworkからPayPalへ外貨を移した場合は、売上ではなく資金の移動として記録します。
たとえば100ドルを手数料なしで移した場合は、売掛金からPayPalの外貨残高を管理する勘定科目へ振り替えます。
銀行口座への入金ではないため、実際の資金の移動先に合わせて処理しましょう。
PayPalから銀行口座へ出金したときの仕訳
PayPalの100ドルを銀行口座へ出金し、1ドル=148円なら、14,800円を銀行口座への入金として記録します。
出金手数料が300円かかり、実際の入金額が14,500円なら、入金額と支払手数料を分けて仕訳します。
PayPalの取引履歴と銀行口座の入金額を確認しながら記録すると分かりやすいでしょう。
出金時に発生した為替差益・為替差損の仕訳
報酬確定時に100ドルを15,000円で記録し、出金時の円換算額が14,800円になった場合は、差額200円を為替差損として処理します。
反対に15,200円になった場合は、差額200円を為替差益として記録します。
外貨で報酬を受け取る場合は、報酬確定時と出金時の円換算額の差にも注意しましょう。
外貨報酬の手数料と複数案件を記帳する方法
FiverrやUpworkで外貨報酬を受け取ると、サービス側やPayPalで手数料が差し引かれるため、報酬額と実際の入金額が一致しないことがあります。
ここでは、手数料の仕訳方法と複数の外貨報酬をまとめて出金した場合の記帳方法を順番に解説します。
Fiverr・UpworkやPayPalの手数料を仕訳する
FiverrやUpwork、PayPalで手数料が差し引かれた場合は、売上と手数料を分けて記録します。
たとえば100ドルの報酬から10ドルの手数料が引かれた場合は、100ドルを売上として計上し、10ドルを「支払手数料」として仕訳します。
差し引かれた後の90ドルだけを売上にせず、売上と経費を分けて記録しましょう。
複数の外貨報酬をまとめて出金した場合の記帳方法
複数案件の報酬をまとめて出金した場合も、案件ごとの売上が分かるように記録します。
たとえば案件Aが100ドル、Bが150ドル、Cが200ドルなら、それぞれの報酬確定日と金額を記録したうえで、合計450ドルを出金したことが分かるようにします。
案件ごとの売上と出金額を照合できる状態にしておくと、入金内容を確認しやすくなります。
年末の外貨残高と青色申告に必要な記録
年末時点でFiverrやUpwork、PayPalに外貨を残している場合は、年間の売上だけでなく、12月31日時点の外貨残高も確認しておく必要があります。
ここでは、年末の外貨残高を確認する方法から、取引資料の保存、判断に迷った場合の確認先まで順番に解説します。
年末にプラットフォームやPayPalへ外貨が残っている場合の確認
12月31日時点でFiverrやUpwork、PayPalに外貨が残っている場合は、通貨の種類と残高を確認して記録しておきます。
たとえばPayPalに500ドルが残っているなら、残高と確認日が分かるように帳簿や管理資料へ残します。
年末の残高を記録しておくと、翌年に出金した際も外貨の動きを確認しやすくなります。
為替レートと取引金額を確認できる資料を保存する
外貨報酬を円換算した場合は、報酬確定日や外貨金額、使用した為替レート、円換算額が分かる取引履歴や明細を保存しておきます。
手数料が差し引かれている場合は、報酬額と手数料額の両方が分かる資料も残しておきましょう。
あとから帳簿の金額と照合するときにも確認しやすくなります。
仕訳や換算方法に迷った場合は税務署や税理士へ確認する
外貨報酬の売上計上日や円換算、為替差損益の処理に迷った場合は、税務署や税理士へ確認すると安心です。
相談するときは、報酬確定日や外貨金額、為替レート、出金日、手数料などが分かる資料を用意します。
実際の取引内容を伝えることで、適切な仕訳方法を確認しやすくなります。
まとめ
FiverrやUpworkの外貨報酬は、報酬を受け取る権利が確定した時点で売上を記録し、その日の為替レートで円換算するのが基本です。
プラットフォームやPayPalに残る外貨、手数料、為替差損益も分けて記帳しておきましょう。
また、報酬確定日や外貨金額、為替レート、手数料などが分かる明細を保存しておくことも大切です。
仕訳や換算方法に迷った場合は、取引資料を用意して税務署や税理士へ確認しましょう。